2014年06月04日

【YOJ2014】ドローが決定! 初日から好カード続出の大会見どころ

トマス杯での日本男子の初優勝。ユーバー杯での日本女子の33 年ぶり決勝進出と歴史的快挙を果たし、活況に沸く日本バドミントン。日本代表選手の凱旋試合となるヨネックスオープンジャパン(6月10〜15日/東京都渋谷区・東京体育館)のドローが5月27 日に発表された。

公式サイト:YONEX OPEN JAPAN 2014

YOJ2014ドロー:Yonex Japan Open MetLife BWF World Superseries 2014 - Draws


今年、なんといっても凄いのが中国・林丹(リン・ダン)、昨年の女王・山口茜(勝山高)といった世界のトップ中のトップ選手が、6月10 日、初日の予選から登場することだろう。しかも蓋を開けてみれば、手ごたえのある相手と顔合わせになったのだからこれはもう見逃せない。細かい話だが、たった500 円でこんなにも極上の試合が見られる。今年の予選には、それだけ価値のある試合が並んでいる。


男子シングルス予選で、林丹は日本代表・坂井一将と対戦

北京&ロンドン五輪、そしてブランクがありながら昨年の世界選手権をも制した中国の林丹。もはやレジェンドといえる史上最強の選手が初日に対戦するのは、日本代表・坂井一将(日本ユニシス)となった。
高校時代、全国的には決してトップクラスとはいえなかった坂井だが、自らインドネシアに修行に出かけるなどして日本代表に上りつめた努力家だ。簡単には崩れない実力派を林丹がどう迎え撃つか。
さらにここで勝ったとしても、予選2回戦では、トマス杯決勝の日本VS マレーシア戦・最終試合で上田拓馬(日本ユニシス)と戦ったダレン・リュウ(マレーシア)が待っている。レジェンド・林丹といえども予選からフル回転を余儀なくされることだろう。


女子シングルス予選でホープ対決なるか山口茜VS 大堀彩

女子シングルス予選もまた、チケットのプレミアム感を底上げしている要因の一つと言えよう。順当にいけば、予選2回戦で昨年の世界ジュニア決勝で優勝を争った山口茜と大堀彩(富岡高)が顔を合わせることになる。
前回、ヨネックスオープンジャパンを制したあと、世界ジュニアも制し、一躍世界から注目を浴びることになった山口だが、じつは大堀の実力も山口に引けをとらない。年が近いだけに、どちらにとっても絶対に負けられない意地の対戦になるだろう。さらに面白いことに、この対戦で勝ったほうが、次の1回戦でロンドン五輪のチャンピオン李雪芮(中国・リ・シュェルイ)に挑戦することになる。今もっとも強い李雪芮に、若い二人のどちらかがどんな戦いを挑むのか。本戦一回戦のチケットも、もちろん買いだ。


田児VS リー・チョンウェイが準決勝で顔合わせか

予選だけでなく、本戦でも好カードが目白押しだ。男子シングルスは1回戦で、トマス杯で全勝した19 歳・桃田賢斗(NTT 東日本)が、デンマークのエースで世界ランク3 位のヤン・ウ・ヨルゲンセンと対戦する。
トマス杯の凱旋会見では、「(格上と当たった中国戦は)負ける気がしなかった」と堂々と振り返った気の強い若武者だけに、ヨルゲンセンだけでなく、準々決勝で当たるであろう林丹をも突破してもらいたい。林丹にしても、トマス杯で同胞が敗れたリベンジを日本で果たしたいところだろう。

一方、日本のエース田児賢一(NTT 東日本)は、昨年のヨネックスオープンジャパン決勝で戦った世界ランキング1位で今大会4度目の優勝を狙うリー・チョンウェイ(マレーシア)と準決勝で当たりそうだ。リー・チョンウェイには、1勝16 敗と差をつけられているが、最近では1ゲームをとれることが増え、確実に差は縮まっている。
「1年間のなかでもっとも照準を合わせている」というヨネックスオープンジャパンにかける田児の思いが、強力なライバルを突破するキーになる可能性は高い。まずは、リー・チョンウェイの前に当たるであろう、実力者のグエン・ティエンミン(ベトナム)ソニ・ドゥイ・クンチョロ(インドネシア)に足をすくわれないことを警戒したい。
なお第2シードに位置しているのは中国・諶龍(チェン・ロン)。2011 年覇者で、今回の優勝候補の一人だ。
トマス杯で田児に敗れた悔しさは大きく、今大会でリベンジを期す気持ちが誰よりも高いアタッカーだ。準々決勝で当たるであろう上田拓馬が、諶龍の「二度は日本人に負けられない」というプレッシャーを利用して金星につなげてくれることに期待しよう。


女子シングルスは中国選手を軸に展開

女子シングルスの第1・2シードには、李雪芮(リ・シュェルイ)王儀涵(ワン・イーハン)と、中国選手が入った。2人は、25 日に幕を閉じたユーバー杯の獲得に無敗で貢献し、今大会では優勝筆頭候補だ。
中国の選手らしい長身ですらりとした手足を持ち、優雅かつ攻撃的にコートを支配する。この二人を下すのは、どの選手にとっても容易いことではない。またロンドン五輪の金メダリスト李雪芮は初出場で、その超人的ともいえる鋭いプレーはバドミントンファンならぜひ見てもらいたいところだ。もし、王儀涵が優勝すれば、優勝回数が“4”に伸び、女子シングルスの最多優勝記録を持つ偉大なる先人、李玲蔚(中国・リー・リンウェイ)と並ぶことになる。

この存在感を見せる中国選手をもっとも下す可能性があるのは、タイのラチャノック・インタノンだろう。実際、昨年の世界選手権では、若干18 歳で、李雪芮、王儀涵という2強を連破して優勝。男子のようなジャンプスマッシュを多用し、相手にリズムをつかませず、自分のペースに持ち込んでいく。
同じ19 歳で、2012 年女王・戴資穎(チャイニーズタイペイ・タイ・ツーイン)もインタノンと似たスタイルで、2回目の優勝をねらっている。準々決勝で戴資穎が王儀涵を破れば、19 歳対決が実現し、男子の試合を観ているようなおもしろい試合内容となるだろう。
日本選手もこれまであげた選手たちと実力は拮抗してきているが、まず序盤で当たる難敵を突破することに集中したい。
すでに述べたように、昨年のチャンピオン・山口が本戦行きの切符を手に入れられたら、まず1回戦で当たるのは、李雪芮だ。日本のエース三谷美菜津(NTT 東日本)の1回戦の相手は、第8シードのキャロリナ・マリン(スペイン)で、世界ランキングはそれぞれ12 位、10 位と拮抗している。
ユーバー杯で第2シングルスを務めた髙橋沙也加(日本ユニシス)は、2回戦で王儀涵と当たりそう。相手の胸を借りるつもりで戦ってもらいたい。
このほか、世界ランクトップ5・6位の成池鉉(スン・ジヒュン)裵延姝(ペ・ヨンジュ)という韓国選手も上位を狙っており、侮れない存在となっている。


男女ダブルスは混戦、どのペアにも可能性あり

トマス杯/ユーバー杯では、男子ダブルスの世界ランク1位アッサン/セティアワン(インドネシア)がマレーシアのタン/フンに敗れ、女子ダブルスでは日本の髙橋/松友(日本ユニシス)が、世界ランク2位で3連敗中だった包宜鑫/湯金華(中国・バオ/タン)に勝った。
今大会で第1 シードについたアッサン/セティアワン、包宜鑫/湯金華だが、決して頂点に一番近い存在だとは言い切れず、男女ともダブルスは混戦を極めそうだ。

男子ダブルスでは、とくに下の山が決勝まで激しい戦いになりそう。世界ランクの通りに勝ち進めば、準々決勝で日本の早川/遠藤(日本ユニシス)が、韓国の李龍大/柳延星(イ・ヨンデ/ユー・ヨンソン)と当たり、どちらか勝ったほうが第2シードのボー/モゲンセン(デンマーク)と対戦する。

女子ダブルスは、ランキングが低い若い中国ペアの存在が不気味だが、世界ランクで判断すれば準決勝は前田/垣岩(ルネサス)VS 包宜鑫/湯金華、もう一つは高橋/松友VS 第2シードのペダセン/ユール(デンマーク)というカードになる。いずれにしても男女ダブルスは、どのペアにもチャンスがあり、日本のファンは、「もう銀メダルでは満足できない。日本で優勝したい」という思いを秘める早川/遠藤、高橋/松友らの言葉を信じたい。

混合ダブルスは、ロンドン五輪の金メダリストで第1シードの張楠/趙蕓蕾(ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ)が頭一つ抜けている。
第2シードにはアドコック/アドコック(イングランド)が入ったが、伝統的にダブルスが強い韓国の高成炫/金ハナ(コー・スンヒュン/キム・ハナ)の存在も気になる。2005 年優勝のプラパカモル/トゥントーンカム(タイ)は、ベテランとなった今も世界ランク7位と健在で、9年ぶり2度目の優勝を見据えている。準決勝で張楠/趙蕓蕾を下せれば、頂点は見えてくるだろう。

※世界ランキングは5 月22 日現在


【参考/過去の戦績】
2013年大会優勝準優勝
男子シングルスリ-・チョンウェイ/マレ-シア田児賢一/日本
女子シングルス山口茜/日本打田しづか/日本
男子ダブルスモハマド・アッサン
ヘンドラ・セティアワン/インドネシア
柴飈(チャイ・ビャオ)
洪煒(ホン・ウェイ)/中国
女子ダブルス馬晋(マー・ジン)
湯金華(タン・ジンファ)/中国
クリスティナ・ペダセン
カミラ・リター・ユール/デンマ-ク
混合ダブルス張楠(ツァン・ナン)
趙蕓蕾(ツァオ・ユンレイ)/中国
徐晨(シュー・チェン)
馬晋(マー・ジン)/中国
 
2012年大優勝準優勝
男子シングルスリ-・チョンウェイ/マレ-シアブーンサック・ポンサナ/タイ
女子シングルスタイ・ツーイン/チャイニーズ・タイペイ廣瀬 栄理子/日本
男子ダブルスキム・キジュン
キム・サラン/韓国
クー・ケンケット
タン・ブンホン/マレーシア
女子ダブルスプーン・ロックヤン
ツェ・インスェット/香港
松尾 静香
内藤 真実/日本
混合ダブルスチャン・ペンスン
ゴー・リューイン/マレーシア
ムハマド・リジャル
リリアナ・ナッチル/インドネシア

(ヨネックスオ-プンジャパン2014 広報事務局)


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