2017年11月27日

【全日本総合2017】女子ダブルス展望

日本の女子ダブルスは昨年、髙橋礼華・松友美佐紀(日本ユニシス)組が日本のバドミントンの歴史を変えたリオデジャネイロオリンピックでの悲願の金メダルに続き、今年の世界選手権大会では金メダルは逃したものの福島由紀・廣田彩花(再春館製薬所)組が銀メダル、髙橋・松友組が銅メダル、米元小春・田中志穂(北都銀行)組もベスト8と上位を占めている。

世界ランキングでも髙橋・松友組が現在(11月9日)、1位、福島・廣田組は5位、6位に米元・田中組、9位に福万尚子・與猶くるみ(ヨネックス)組と日本勢が上位を争っている。

今大会はこの伝統ある女子ダブルスの権威を引き継ぎ、更にレベルアップして来ているベテラン、新鋭のメンバーが競い合い、今年も世界トップレベルの戦い、技術が実際に目の前で観戦できる喜びはバドミントンファンにとって最高のプレゼントである。

昨年の決勝対決はオリンピック金メダル後名実ともに世界トップの髙橋・松友組と大会直前の国際大会中国オープンに準決勝進出するなど勢いに乗る米元・田中組の勝負となった。米元・田中組が第一ゲームのスタートから一気に攻撃のペースを掴み、田中のスマッシュを軸に米元が決めるという理想の形でそのまま先取。 第二ゲームは中盤からクリアの打ち合いが多くなり、長い緊迫したラリーの応酬になり、徐々に米元・田中組のストロークが乱れたのに対して、髙橋・松友組の強打、配球が冴えるようになり、第二ゲームを競り勝ち、そのままのペースでファイナルゲームを完勝し、連覇、5度目の優勝を飾った。


今年もやはり、高橋・松友組が大本命、主役となる。コンビネーションの良さからくるリズム、ペース配分は円熟味を増している。普段の力を発揮さえすれば優勝が見えてくることを9月のダイハツ・ヨネックスジャパンオープン優勝で証明してくれた。6度目の優勝に向けて万全の体制で臨む。



対抗馬は米元・田中組、福島・廣田組、福万・與猶組のトップ4の3組。

米元・田中組は昨年初の決勝進出での苦杯、その後、インドオープン優勝など充分に力がある。


福島・廣田組はその潜在能力がようやく結果として表れてきた。世界選手権大会準優勝、ドイツオープンやマレーシアオープン優勝など息の合った攻撃は他を圧倒している。


福万・與猶組は8月からヨネックスに移籍し、再スタートを切った。優勝経験もあり、相変わらず元気なプレイで最後まで諦めない勝負強さは健在。



上記の組に匹敵するほどの急成長している2組の活躍に注目したい。まず、永原和可那・松本麻佑(北都銀行)組。日本ランキング大会優勝、10月のフランスオープンでは準々決勝で髙橋・松友組を破って3位に入るなど優勝が手の届くところまで来ている。


もう一組、志田千陽・松山奈未(再春館製薬所)組。二人は2015年の世界ジュニア大会でペアを組んでおり、3位に入り、松山は2016年には別なペアではあるが優勝という期待される有望選手。


今年9月の全日本社会人大会では福万・與猶組に勝っての優勝で勢いに乗っており、優勝戦線への仲間入りと言える楽しみで目が離せない存在になる。もう一組、ドローを見てびっくり、藤井瑞希・垣岩令佳(再春館製薬所)組。全日本社会人大会で復活し、見事3位と台風の目になること間違いなし。


その他、社会人から松田蒼・荒木茜羽(岐阜トリッキーパンダース)組、櫻本絢子・髙畑祐紀子(ヨネックス)組、本田恵利奈・清水望(日立化成)組、江藤理恵・山口ソヨカ(岐阜トリッキーパンダース)組、新玉美郷・渡邉あかね(NTT東日本)組、川島里羅・尾﨑沙織(NTT東日本)組。教職員大会優勝宮田晶代(鵠沼高等学校教職員)・髙橋彩果(川崎市立幸高等学校教職員)組。

若手代表として全日本学生選手権大会加藤美幸・柏原みき(筑波大学)組、インターハイ優勝髙橋明日香・由良なぎさ(ふたば未来学園高校)組、全日本ジュニア優勝齋藤夏・吉田瑠実(埼玉栄高校)、中学チャンピオン加藤佑奈・大澤陽奈(青森山田中学校)組などベテラン、新鋭を含めてやはりレベルが高い。

どの試合も世界トップレベルの技術が発揮され、激戦が予想される。


記事:美郷茂樹


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