2017年11月27日

【全日本総合2017】男子シングルス展望

日本中のバドミントンファンが注目するバドミントン界最強の男を決める第71回全日本総合選手権大会がいよいよ始まる。

次期のナショナルメンバーを決定する基準になる大会でもあり、日本のバドミントン界、そして選手にとってはもっとも重要な大会となる。

昨年は前年度優勝、第一人者の桃田賢斗(NTT東日本)が欠場という、本命不在の混戦の中、ランキング通り順調に決勝進出を果たしたのは西本拳太(中央大学)と坂井一将(日本ユニシス)だった。双方とも初優勝をかけて、まず、先手を取ったのは坂井。得意の積極的なスマッシュを中心とした攻撃力が勝り、優位に試合を進め、第1ゲーム先取。一方の西本は第2ゲーム中盤まではスピードに押され劣勢だったが、後半に入り、徐々に粘りを発揮して、ついに18-18と同点に追いつくと流れを掴み、激戦の末、22-20で奪い返した。勝負のファイナルゲーム、坂井は前半の勝ちパターンのネットからスマッシュの作戦に出るもネットの正確さ、厳しさで西本が勝り、結果的に坂井のミスを誘い、21-8の圧勝となり、西本が2000年の舛田圭太氏以来16年ぶりに学生のチャンピオンとなった。


今年の大会は大注目と言うか待ちに待った桃田賢斗が帰ってくる。
その実力、強さは誰もが認めるところ。そして今、彼のプレイを心待ちにしているファンは多い。復帰した5月の日本ランキング大会決勝で上田拓馬(日本ユニシス)を破って復活の狼煙を上げて以来、9月の全日本社会人大会決勝で坂井に圧勝して優勝。海外大会でもオランダオープン、チェコオープンに優勝するなどブランクを感じさせないどころか以前に比べプレイのスピード感が増している。正に世界トップレベルの技を見せつけてくれている。


今大会二度目の優勝を大本命として期待している対抗馬はやはり、昨年初優勝を飾った西本(トナミ運輸)。10月のフランスオープンでは予選から勝ち上がり、一回戦リー・チョンウエイに勝利しての準優勝と調子を上げている。2連覇を狙うには積極的に自らがゲームを作る事が必要になる。桃田とは同学年、ライバル対決を楽しみにしたい。




次に優勝戦線に割って入る選手は日本ランキング上位から、坂井、上田、常山幹太(トナミ運輸)、武下利一(トナミ運輸)らをあげたい。

坂井は相変わらず安定している。4連覇のかかった全日本社会人大会では桃田に敗れはしたものの準優勝と健在である。爆発力のある攻撃力を発揮できればチャンスは必ずめぐってくる。


上田は2013年準優勝、昨年は3位と実績、実力は充分、地味ではあるが確実なプレイでダークホース的存在として虎視眈々と優勝を狙う。


常山は何と言っても7月のカナダオープン優勝、桃田との決勝戦を制しての快挙が光る。次世代のシングルスのホープとして今年はもう一段階上の結果を望みたい。


武下はトナミ運輸の主将として活躍している。全日本社会人大会も桃田に負けての3位、日本ランキング大会も3位と健闘している。



今年も特に注目して最も期待したいのが高校一年生になった奈良岡功大(浪岡高校)。インターハイでは団体戦、個人戦ダブルス、シングルスに出場、団体戦、シングルス準優勝は成長の証し。日本ランキング大会では3位、世界ジュニア選手権大会では団体戦3位に貢献、シングルスも3位と期待通りの活躍を示している。
日本のバドミントン界の希望の星、上位を目指してほしい。


その他、実業団、社会人代表として、昨年準決勝進出日本ユニシスの期待のホープ小野寺裕介、全日本社会人大会3位の地元福井に帰って頑張っている松川直弘、ベスト8古財和輝(龍谷大学職員)、2015年世界ジュニア3位の実績を持つ若手渡邊航貴(日本ユニシス)、トナミ運輸の期待のコンビの一人下農走、日立情報通信エンジニアリングの丸尾亮太郎。

学生代表としてインカレ優勝古賀穂(早稲田大学)、2位小本翔太 (日本体育大学)3位山澤直貴 (法政大学)、牧野桂大 (筑波大学)、ナショナルA代表五十嵐優(中央大学)。教職員大会優勝新田祥基(島根県立体育館職員)。

ジュニア代表としてインターハイ優勝大林拓真(埼玉栄高校)、3位嶺岸洸(聖ウルスラ学院英智高校)、全国高校選抜大会2位金子真(ふたば未来学園)、全国中学校大会優勝山下啓輔(富岡第一中学校)らに期待し、いかに若手陣が試合巧者のベテラン組に挑むか注目してみたい。



記事:美郷茂樹





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