2014年11月27日

平成26年度 全日本総合選手権大会 大会展望:男子シングルス

今年も日本中のバドミントンファンが注目するバドミントン界の最強の男を決める第68回全日本総合選手権大会がいよいよ始まる。来年のナショナルメンバーを決定する基準になる大会でもあり、選手にとってはもっとも重要な大会となる。

今年の大本命は田児賢一(NTT東日本)。昨年、前人未到の6連覇を成し遂げた。初優勝の佐藤翔治(NTT東日本)戦の激戦を勝利してから、その後、佐々木翔(トナミ運輸)との4年連続決勝対決を制し、昨年は上田拓馬(日本ユニシス)に2-0で完勝しての6連覇の新記録を達成した(過去に5連覇は1966年~1970年小島一平、1998年~2002年舛田圭太の2人が達成)。今年はさらに円熟味を増して、改めて、7連覇の大記録に挑戦することになる。今年は5月に行われたトマス杯優勝のエースとして活躍。その後、6月のヨネックスオープンジャパン2014では準決勝においてリー・チョンウエイに敗退したものの、今年に入って一段と強さ、安定感を増している。いつも自分のテーマを持って試合に臨んでいる。今回もどんなシングルスを見せてくれるか楽しみである。

一方、昨年決勝敗退の上田拓馬(日本ユニシス)、屈辱の敗戦から一年、普段の地道な努力が着実に実力に繋がっている。トマス杯では優勝決定の最終シングルスとして歴史的な1勝をあげ、結果を出し、一躍注目を浴びた。元々人気のある選手でファンも多いし、今年も決勝進出を期待したい。

今年の一番の対抗馬は桃田賢斗(NTT東日本)と見る。今年のトマス杯では2番手として全勝、優勝の原動力となり、急成長している。ここ3年連続で田児に敗退しているがその差は急接近している。今回はドロー上、対決は決勝となる。今年は初優勝を狙いたい。

忘れてはならないのが2007年優勝経験のある佐々木翔(トナミ運輸)、左腕からのスマッシュの威力は健在、勝負への執念は未だ衰えを知らない。改めて優勝への挑戦に燃えている。今年の優勝争いはこの4人を中心に展開される。



この4人に割って入るのが坂井一将(日本ユニシス)、竹村純(JR北海道)。坂井一将は9月の全日本社会人大会では初優勝を飾り、10月の長崎国体では北海道代表の佐々木翔と第一シングルスで対決、ファイナルでの激戦を制して、石川県を初優勝に導き、団体戦でのこの勝利は実力が付いた証拠である。初の決勝進出を狙えるところに来ている。もう一人、竹村は昨年所属先都合での出場を自粛した悲しい経緯があり、今年はその分までがんばりたいところである。全日本社会人大会では準優勝するなど佐々木翔と同年、同様に衰えを知らない。若手選手にとっては今年も高い壁となる。

あと若手代表としてナショナルメンバー井上拓斗(日本ユニシス)。インカレチャンピオン西本拳太(中央大学)、2位山口容正(日本大学)、3位古賀輝(早稲田大学)、堀内研人(法政大学)。インハイチャンピオン古賀穂(富岡高校)、2位常山幹太(東大阪大学柏原高校)、全日本ジュニア大会優勝渡辺勇大(富岡高校)らに期待したい。他に中堅、ベテラン勢として武下利一(トナミ運輸)、古財和輝(龍国大学職員)、教職員大会優勝吉村諒(長崎県西陵高校教職員)などがまだまだ元気なプレイを見せている。また今年は全国中学校大会優勝奈良岡功大(浪岡中学)、2位吉田昇永(青森山田中学)が出場する。楽しみが増える。いかに若手陣が試合巧者のベテラン組に挑むか注目してみたい。



美郷茂樹



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